偽関節とはなんですか?

LLCでの定義では、9ヶ月以上経過して治癒の過程が止まっている状態。止まっている状態とは360度骨が出来ておらず、全く繋がっていない状態の事を指します。

骨移植が必要な場合はどういう状態でしょうか?

偽関節や、骨形成不良(前後左右部分に、骨が出来ているが4面すべてが完成していない状態。

例:左右は出来ているが前面が出来ていない状態)

骨髄炎、感染症のリスクについて

LONに方に限定して(プリサイスは内部式のためその可能性は極めて低いため)
骨髄炎や感染症は、
・抗生物質の服用
・定期的な適切な消毒・包帯交換
・正しい経過観察
をしていれば防げるものと認識しています。

すべての事に置いて、絶対はありませんが100%近い割合で防げますし、万が一、感染症の疑いがあった場合は、早急に措置をします。
LLCでは、セルカン先生から正しい消毒法を教わった理学療法士が、患部部分を念入りに消毒します。
他の合併症も含め、LLCでは、徹底した処置と対応をしています。

骨髄炎は以下の3つの感染経路

・血行性感染(血管内に細菌や真菌が侵入して感染巣に到達する感染)
・隣接する骨・軟部組織感染からの波及
・創部(外傷や手術)への細菌や真菌の直接侵入
があります。
重症化すれば皮膚の感染症から波及して骨髄炎を招くこともありますし、骨髄炎から蜂窩織炎などの皮膚の感染症を引き起こすこともあります。
骨髄炎を発症したとしても一概に必ず皮膚から波及して感染したとは言えません。

骨髄炎で足の切断の可能姓は?

骨髄炎の治療はまずは培養結果に合わせて抗菌薬や抗真菌薬の投与。体内異物が感染巣の場合、抗菌薬や抗真菌薬で治らなければ異物の抜去が原則です。
それらでも改善しない場合、重症化した場合には下肢の切断をすることもありますが、健康成人への骨延長に伴う下肢切断例は聞いたことがありませんし、あっても非常に稀だと思います。

骨髄炎は治りますか?亡くなるケースはありますか?

まず、最初にほとんどの病気の治療に対して絶対治るということは保証できないと思います。
骨髄炎は亡くなる方もいるくらい重篤な病気なので尚更です。
しかし、骨延長の合併症として生じた骨髄炎では死亡事例は聞く限りありませんし、あってもかなり稀かと思います。というのも多くの骨延長を受ける患者は基礎疾患がなく若年の方が多く、十分な免疫力があります。
骨髄炎になっても抗菌薬抗真菌薬で治るか、人工異物の抜去や交換で治ることが多いです。ただし、糖尿病やステロイド内服中など易感染者は別です。さらに重症化する可能性もあると思います。
そのため手術を希望する際に、基礎疾患や内服薬があれば必ず仰ってください。

手術後の合併症は一生続きますか?

質問に関しては、合併症の種類や状態によるとしかお答えできません。

骨髄炎、イリザロフ法の場合は?

骨髄炎の治療は抗菌薬抗真菌薬の投与、感染源が体内異物である場合は体内異物の抜去や交換が原則です。
抗菌薬抗真菌薬に関していえば新薬が25年間ででていますが、劇的にそれらで骨髄炎の治療が進歩している訳ではありません。
最も古典的なイリザロフ法では骨が固まるまで1-2年創外固定をするので、LONやPRECICEよりも圧倒的に骨髄炎のリスクが高くなります。
一般的に創外固定の装着期間が長ければ長いほど感染症(骨髄炎含む)のリスクは高くなります。
LLCではLON・PRECICEしか行っておらず、そういう骨延長法の進歩という意味では、昔と比べて骨髄炎のリスクは低くなっていると思います。

創外固定器除去後、傷口が塞がればもう感染しない?

血行性に細菌が迷入して骨髄炎を発症することもあります。そして人工物が体内にあると感染巣を作りやすいので、将来的には髄内釘も抜いた方がよいです。
創外固定があるとプラスαで経皮的にも感染しやすいのでさらにリスクが上がります。